
そもそもディレクターやプロデューサーは、アーティストとどうやって出会うのでしょうか?
1本のデモテープ
まず一番身近な方法としては、送られてきたデモテープを聴くということがあげられます。ディレクターやプロデューサーは常に新しいアーティスト、才能を探しています。
なぜなら、音楽ビジネスにおいて、アーティストは「商品」ですから、会社を継続していくためには、新商品をどんどん開発していかなければならないからです。
音楽に限らず、モノを売って商売にしていく以上、新商品開発は避けられません。老舗のお菓子屋のように、名物商品が一つあれば、それに頼って商売を続けていくことはできます。お菓子なら、一度食べておいしかったら、何回も買ってもらえる可能性があるので、どんどん製造だけしていけばいいのです。
しかし、CDの場合は、気に入ったら何回でも聴くことができるので、同じCDを何枚も買う必要はありません。 ですからアーティストを気に入ってもらっても、そのアーティストに再びお金を出してもらうには、新しいCDを作らなければならないのです。
商品開発には2種類考えられます。
@売れ筋のヒットアーティストの作品をどんどんリリース
A売れるかわからない新人アーティストをどんどんリリース
ヒットアーティストを一度作ってしまえば、ある程度は継続して売上が見込めます。しかし、今どんなに売れていても、いつ人気が下がるか分かりません。一人の人気アーティストに頼った会社経営は危険です。ヒットアーティストの候補を常に用意しておかないといけません。
ヒットアーティストを作るのは容易ではありません。だから「数打ちゃ当たる」方式で、どんどん新人を出します。当たらなければ、さようなら。これが音楽ビジネスの現状です。毎年何百組もの新人がデビューしますが、生き残れるのはほんのごく一部です。デビューしてからが本当の勝負といえるでしょう。
お客さんの好みも世代によって様々です。昔のように、あらゆる年代から愛されるアーティストというは少なくなりました。レコード会社は、あらゆる世代の趣味嗜好に合わせて、さまざまな種類の商品を開発していかないと生き残ってはいけません。
アーティストの側からすれば、「俺の音楽を世代を関係なく、すべての人に聞いてほしい!」というのが本音です。もちろんビジネス的にもそれが理想ですが、商売の世界はそんなに甘くはありません。お客さんのニーズを見極めて、それにマッチした商品を出すことが、商品を売るために必要なことなのです。
ですから、アーティストを目指すみなさんが、レコード会社などにデモテープを送る際も、 そういったビジネスの基本を知り、世の中の流れを知り、その中で自分がどういう人に売れる商品になるか、ということを考えておかないといけないのです。
いずれにしても、一本のデモテープからすべてはスタートします。 使い捨てのアーティストにならないように、自分を冷静に分析して音楽活動に励んでいただきたいものです。
ライブ活動
ライブもディレクターやプロデューサーにとって、アーティストと出会う大事な場所です。
ライブ活動を行い、ファンを増やし、動員が安定してくれば、音楽業界関係者の目にとまる可能性もあります。デビュー後もライブ活動は重要なプロモーションの手段なので、ライブパフォーマンスがいいアーティストはそれだけ売れる確率が上がるといってもいいくらいです。
アーティストにとって、ライブハウスやストリートライブで腕を磨き、ファンを増やすことが、プロになるための第一歩になるので、がんばりましょう!
まとめ
最後に、アーティストを発掘してから、CDができるまでの流れを確認しておきましょう。

![]()
| 目次 はじめに |
|
| 第1章 - お客さんがCDの存在を知るまで 1. CDを知ってもらう 2. メディアにのせる・記事・広告 3. 試聴機に入れてもらう・ライブ活動 4. CDがお店に並ぶまで・流通 |
第3章 - CDが出来るまで 1. マスタリングとミックスダウン 2. レコーディング 3. アーティストの発掘 |
| 第2章 - CDクレジットから業界を覗いてみよう 1. CDクレジットの説明 |
第4章 - 契約、そしてお金が動く 1. アーティストに関わる契約 2. アーティストが手にする収入 3. 新人と大物の収入 4. 著作権と音楽出版社最後に |